疲れを感じることを大切に

うつ病から休職にいたった方の心理的サポートを
長い間してきました。
お一人、お一人で状況は違います。
でも、割合、共通しているなあと思われる典型的な例があります。
それは、メンタル不調になる前に
とても忙しかったり、困難な仕事をしていたという方が多いようです。

また、さらに誰かに相談したりすることができなくてかかえがちになる。
目の前にある仕事をこなすためには、
睡眠をけずり、休憩時間をけずり、余暇をけずり、食事をけずって仕事をする。
疲れを感じる余裕はありません。
とにかく、目の前の仕事をこなさなければいけない。
仕事はこなすけれど、後はただぼーとしてすごしていた。
他の楽しみをする余裕や、職場外の人との交流はもうおっくうにもなっている。
でも、まだ、できると思っている。
仕事はやれる。やる気もある。自分がやるしかない。
自分の仕事をかわれる人がいない。

そんな思いをだいて頑張っている人が
仕事の途中で、突然、朝起きられなくなる。
がんばれた仕事に集中できなくなる。
眠れなくなる。
食欲がなくなる。
いらいらしたり、突然涙がとまらなくなったりもします。
気持ちがおちこみ自分をせめだす。

うつの症状です。
心身からSOSが発せられたのでしょう。
そこで、治療を受けはじめる方が多いのですが
休む必要がでてきます。

そこまで、きて、急にどっと疲れを感じることがあります。
お薬を飲み出し、眠っても眠ってもまだ眠くなることがあります。

そうすると
今まで、なんとかがんばって仕事をしてきたのに
自分はどうなってしまったのだろうかとあせりや不安がでてくるようです。

しかし、ようやくたまっていた疲れを感じることができるようになったと
考えてみてはどうでしょうか。
休めない環境では、目の前の仕事をこなさなければと必死だった時には
疲れを感じてほっとすることはできなかったのです。

今、疲れがでています。疲れを感じています。
だから、休むことができます。
ここからが 回復の第一歩と考えてもよいと思っています。
休むことができて、それから少しすつ回復にむかいます。
その期間は 思いの他、長く感じることもあるかもしれませんが
ペースはゆっくりだとしても
「疲れを感じることができたことは自分の心身にとってとても大事なことなんだ」
と、自分にやさしくいってみてはどうでしょうか。

「ありがとう、ようやくほっとできた」という声が
かえってくるかもしれません。

そして、
ストレス過剰な職場の話としてここまで書いてきましたが
職場だけのプロセスではありません。
家族の中でも、病人、育児、介護や経済、関係性の問題などさまざまな困難があって
強いストレスを受けながらも家族を担ってきた人が
その問題が解決した時や、(一時的にでも)環境が変わった時に
今までの緊張がゆるみ心身ともにどっと疲れて不調になることもあります。

その時も
「起き上がれない、うごけない自分」という見方から
「ああ、やっと疲れをだすことができた。疲れをかんじることができた」
と、自分をねぎらう視点をもっていただければ
その後の回復にはきっと良い影響をおよぼすと思います。

これは、
特別な人の話ではなく、責任感があってまじめな努力する人に多い話だと思います。
今まで、本当によくやってきたのだから
その感じる「疲れ」を大事にしていきませんか。

 

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